ビジネスモデル~社長コラム第18回~

 先月29日、第2四半期決算説明と同時に【事業計画及び成長可能性に関する事項】の適時開示をさせていただきました。その中で弊社のケイパビリティやビジネスモデルなどについて記述させていただいておりますが、創業からの基本的な考え方などを含めて改めて簡単に補足させていただきます。

【グループのケイパビリティ(能力・スキル)】

 弊社グループは、創業時より新しいコンサルティング会社の形を創り上げるというコンセプトのもと、「コンサルティング」「テクノロジー」「オペレーション」の3つのスキルを融合させ、クライアントに「ビジネスの結果を提供する」ことを目指してきました。クライアント企業は、コンサルティング会社の提供する計画書や報告書が欲しいのではなく、ビジネスの結果が欲しいはずです。ビジネスの結果は、計画書が生み出すものではありません。計画は必要かつ重要ですが、最先端のIT技術を戦略的に開発・導入したうえで、実際に業務を実行してはじめて得られるものです。弊社は、上流のコンサルティングからITの導入、そして実際の業務の実行(オペレーション)まで一気通貫ワンストップでクライアント企業を支援できることが特徴です。現在は、「結果を提供する」から「持続可能な変革に伴走する」と表現を変えておりますが、これを実行するうえで、この3つのコアスキルは創業時も現在も変わらざる弊社の重要なケイパビリティです。

【ビジネスモデル①-ストックとフローのハイブリッド】

 フロービジネスとは、期間単位や請負単位でビジネスを実行し収益を得ることです。契約に基づいた期間ビジネスは、終了する度に契約が途絶え、収益を増やすにはまた新たな契約を受注しなければなりません。一方ストックビジネスとは、期間が定められているものではなく、解約されない限り継続して収益を得られるモデルです。近年流行りのサブスクリプション(定期購買)型ビジネスもこの範疇に入ります。コンサルティングとIT構築関連のビジネスは主にフロー型が多く、ITサービスとアウトソーシング関連ビジネスは主にストック型です。弊社は上流のコンサルティングからオペレーションまで一気通貫でサービスを提供することを基本的な方向性としておりますが、これはクライアント側にビジネスの結果が提供できるというメリットとともに、弊社側にはフローのビジネスの延長線上にストックのビジネスがあり、それが積みあがるというメリットがあります。そして、ストックビジネスがあることで経営的な安定と積み上げ型での成長の両面を目指すことができます。その結果、弊社グループのビジネス構成は、現在概ね60%~70%がストックビジネスとなっています。

【ビジネスモデル②-ノウハウの自社製品化】

 弊社は、沢山のクライアント様と様々なテーマで仕事をさせて頂いております。それらのビジネスを実施していると弊社側にある一定のノウハウや知見が蓄積されます。また、様々な取り組みの中で「こういうIT機能を持った製品が必要ではないか」と気づくこともあります。我々はそれらのノウハウをIT製品として開発し、自社製品化しております。フロー型のビジネスでノウハウを蓄積し、ストック型のビジネスの収益で製品化(投資)する。そしてそのIT製品を次のフロービジネスの成長につなげます。また、ストックビジネスとして月額利用型で提供するという循環まで作りあげようと取り組んでおります。

 inspirX(インスピーリ)というCRMの製品、AIプラットフォームであるTENKEIなどが弊社のノウハウから生み出された製品です。

【デジタルとAIというビジネスドメイン(事業領域)】

 ビジネスモデルはビジネスの形(収益が生まれる構造)を示していますが、ビジネスドメイン-すなわちそのビジネスをどこのフィールドで実行するのか、戦略的に取り組むテーマは何か?ということについて記述します。スポーツで言えば、種目は何か?です。

 AIは、これからも成長する市場分野です。弊社はTENKEIという遺伝的アルゴリズムのプラットフォームを提供しており、勿論AIは戦略的なテーマです。TENKEI以外にもクライアント業務の自動化やデジタルマーケティングの領域にもAIを活用しております。あらゆる場面にAIは活用され、更に広く浸透していきますので、そのノウハウを蓄積するとともに自社のAIも広く展開していきたいと考えております。

 弊社はCRMを中心にビジネスを展開してきましたが、数年前からデジタルマーケティングに範囲を広げております。見込客から顧客になり、その顧客が優良顧客になるまでのライフタイム全体をサポートする、伴走するビジネスも戦略的なテーマです。非対面の顧客接点や営業・マーケティング分野もデジタル化(DX)されています。コロナ禍で更に加速・拡大したこの領域においてもデジタル化を進めるご支援(伴走)を進めてまいります。

【3か年の経常利益目標】

当期から3年間の連結経常利益の合計目標を8億円以上と発表させていただいております。初年度の上期累計業績は、想定よりも前倒しで進捗することが出来、通期の業績予想も上方修正させていただきました。引き続き成長速度を加速させるよう努力していきたいと考えております。