バーチャレクス・コンサルティングの強みと過去の業績について ~社長コラム 第5回~

前回、当社の事業概要を解説しました。今回は当社の強みと過去の業績について解説させて頂きます。

◆ポイント1:ワンストップで上流から実行まで

 クライアント企業のCRMプロジェクトは、まず戦略策定や計画策定から始まります。通常この工程はコンサルティング会社が請け負います。次にITの工程がありますが、ここはIT会社のカバー範囲です。そして実際の業務を運営する工程はアウトソーサーやテレマーケティング会社が請け負います。即ち3つの工程はそれぞれ別々のプレーヤーが実施することとなります。各工程のプレーヤーが異なるために、工程毎の引継ぎや連携などの工数が膨らんでしまいます。時には連携ミスや、なんらかの摩擦が発生してしまうケースも存在します。  当社の場合は、3つの工程をそれぞれ実施する部隊がおりますので、一気通貫で実行することができます。結果としてクライアント側の出費の抑制や、プロジェクト期間を短縮できるというメリットがあります。また、後に続く工程まで責任を持たなければなりませんので、戦略策定や計画作りの内容も実現性の高い内容になりますし、ITの品質も実際のユーザーである業務実行部隊がビジネスの結果を出せるような現場を生かす機能品質を目指すことになります。クライアント企業の最終目的であるビジネスの結果を得たいという方向と一致したサービスを提供できる企業であると自負しております。

◆ポイント2:仮説検証型のプロジェクトが実行できる

 デジタルマーケティングやビックデータ、アナリティックスというような新たなキーワードを自社のマーケティングプロセスに組み込まなければならない時代になっています。  また、それらの分析から導かれたマーケティングアプローチを生活者消費者に対して、様々なチャネルを通じて実施することが重要です。そのチャネルは、ウェブサイト、メール、電話、DM、ショートメッセージ、SNS、スマホ(アプリ、プッシュ通知)などの中から最適なチャネルを通じて実施しなければなりません。「どの顧客セグメント(グループ)」に対して「どんなタイミング(時期)」で「どんな情報(コンテンツ)」を「どのチャネルを通じて」行うかという組み合わせは無限に存在します。その無限の組み合わせの中から最も有効な答えを探さなければなりません。その答えは最初に見つかるような単純なものではなく、仮説を立て、実施し、結果を検証するという仮説検証を繰り返した中で見つかるものです。また、それらの仮説検証にはITも深く関係してきます。この仮説検証型のアプローチでは、コンサルタントやITエンジニア、業務を実行するスタッフなどがチームを組んで実施する必要があります。そのようなチーム編成は当社のように3つのスキルを持っている企業しかできません。

◆ポイント3:ストックとフローのハイブリッド型ビジネスモデル

 ビジネスにはフロー型とストック型があります。フロー型のビジネスとは金額の大小を問わず売上が一度計上されて終了するタイプのビジネスです。一方ストック型のビジネスとは毎月継続して売上が計上されるビジネスです。解約されない限り売上は継続します。  コンサルティングサービスやIT製品の販売はフロー型となります。フロー型なので積み上げ型にはなりませんが、付加価値が高い分、比較的利益率は高いビジネスです。ITサービスやアウトソーシングサービスはストック型のビジネスです。ストック型であるために、追加の契約が締結できれば売上が積み上がっていきます。  通常のコンサルティング会社はフローのビジネスが殆どです。当社は売上の半分以上がストック型のビジネスです。この点においても一般的なコンサルティング会社のビジネスとは異なっています。  当社ではフローのビジネスを実施した場合、後にストックビジネスにつながるような戦略を取っています。例えば、コンサルティングをしたのちに、ストックのアウトソーシングが継続するパターンや、IT製品の販売と(IT)コンサルティングのプロジェクトを実施したのちに、ITサービスがストックとして継続するパターンなどを推進しています。  ストックビジネスがあることで、経営的には急激に売上が減少するというようなリスクを軽減でき、また着実にストックを積み上げることで売上を階段上に増加させていくというアプローチをとることができます。安定しながら成長させることができるビジネスモデルとなっています。
 以降では過去の業績について説明します。

◆売上が成長しているようには見えない、利益もボックス型で推移しているのでは?

 連結の売上高は2014年3月期から減少しています。これは積極的な事業の絞り込みを行った結果です。2014年までの数年間、新規事業としてSI事業を始めました。このSI事業を実施した期間は、売上は上昇しましたが、採算がとれずに経営を圧迫しました。そもそも当社はCRMの領域に強みを持っていたにも関わらず、SIという当社の強みの無い領域まで手を広げた結果、経営を圧迫し、強みのあるCRMの領域を強化できないという悪循環に陥りました。そこで、SI事業から撤退するとともに、強みのあるCRM事業に特化するという方針を立てました。撤退に伴い関連するソフト資産を除却したため、特別損失を計上しております。翌年(2015年3月期)からはそのSI事業の売上が無くなったために一旦売上は減少しておりますが、不採算案件が無くなったことなどから営業利益は増加傾向で推移しています。  数年の連結で見ますと売上は減少しておりますが、SI事業の撤退後に経営資源を集中させたCRM関連事業の売上は、撤退後に3倍に成長しております。CRM事業は当社の強みのある領域です。その領域に絞ったことでプロジェクト毎の利益率も安定し、結果として連結の営業利益も増加しているという状況です。