バーチャレクス・コンサルティングの事業概要を解説します ~社長コラム 第4回~

6月23日に東証マザーズに上場させていただき、約1か月経ちました。当社の事業やサービス内容については、企業サイトやIR情報などに掲載させていただいておりますが、業界用語など一般の方々にはあまり馴染みのない言葉などがあり、分かりづらい面があるかもしれません。当社の事業は、いわゆる"BtoB"向けです。直接、生活者や消費者にサービスや商品をお届けしているものではなく、企業や団体に対してサービスを提供しておりますので、その点においても一般の方々からイメージしにくいビジネスかもしれません。  そこで、当コラムにて何回かに分け、当社の事業やサービスなどについて少しご説明させて頂きたいと思います。  今回は、当社の事業概要についてです。

Q1:どんな領域で事業を展開しているのか?

 当社がフォーカスしている領域は「企業と顧客の非対面の接点」と呼んでいる領域です。以前は、企業と消費者・生活者は、店舗や営業マンなどを通した対面接触が主流でしたが、今ではインターネットやモバイルの普及により、非対面で接触することができるようになりました。この非対面の接点は消費者・生活者からは利便性の高いチャネルと成り得ます。企業にとっては、マーケティングやユーザーサポートを行う面で大変重要なチャネルとなります。当社はこの非対面の接点を事業の主要フィールドと位置付けています。非対面の接点には、コールセンター、ウェッブサイト、メール、ショートメッセージ、SNSなど様々なチャネルが含まれています。

Q2:非対面の接点でのCRMとは?

 CRMとは"Customer Relationship Management (顧客関係管理) "の略です。企業が顧客との有効な関係構築や関係の維持、強化などを行うことがCRMです。新規に顧客になっていただくところから、顧客のサポート、更には顧客に商品やサービスのファンになっていただくところまでがCRMのカバーする範囲ということです。  企業によってCRMの戦略は異なります。そしてCRMの戦略に基づいてCRMのプロセス(業務)を実行していきます。このCRMプロセスの実行は、Q1の"非対面のチャネル"を通じて行われます。CRMプロセスには、インターネットなどでマーケティングをすること、コールセンターでカスタマーサポートや商品・サービスの案内をすること、メールやショートメッセージで情報を伝達すること、あるいはFacebook、LINEなどのソーシャルチャネルを通じた情報発信など、様々な業務が含まれています。

Q3:その領域で当社はどんな事業・サービスをしているのか?

 具体的には4つのサービスを提供しています。
 1つ目はコンサルティングサービス事業です。企業のCRM戦略の立案や計画策定、あるいは戦略や計画作りなどを行う前段階での顧客分析など行うサービスです。コールセンターの統廃合や新規の構築などの支援も行っています。このサービスでは、プロジェクト期間毎に契約をし、投入するコンサルタントの人数や期間によって契約金をいただくことになります。
 2つ目はITの製品提供関連事業です。主にコールセンターで使用するソフトウェアを当社が自社開発し製品化しています。そして、この製品をクライアント企業に販売します。コールセンターには日々顧客から問い合わせやご意見などが寄せられます。それらを顧客毎に記録しなければなりません。また、それらは電話で来る場合、メールが送られてくる場合など様々なケースがあります。電話であってもメールであっても統合的に顧客とコンタクトした記録を管理する必要があり、当社のシステムではそれら様々なチャネルの問い合わせなどを一元的に管理し、コールセンターで情報共有する仕組みを持っています。 IT製品は使用するユーザーの数に応じた料金体系になっており、導入時にクライアント企業に一括で購入していただきます。製品をご購入いただいた企業は、通常、製品をそのまま、すぐに使用するわけではありません。企業毎に機能を追加したり、修正したりする必要があります。この追加、修正を"カスタマイズ"と言い、カスタマイズした後にご使用いただきます。このカスタマイズにかかる費用は、製品代金以外に別途ITコンサルティング料(開発料)としてご請求しています。このカスタマイズ費用も当社の売上となります。
 3つ目はITのサービス事業です。前述のIT製品をご導入いただいた企業には、導入後に保守サービスを提供しています。保守サービスとは、製品に関する問い合わせ対応などを行うサービスです。また、前述のIT製品を一括で購入するのではなく、月額利用料で支払いたいという企業には、IT製品をサービスとして提供し、毎月サービス料をいただいております。このITサービス事業は、解約されない限り毎月継続的に売上が立つストックビジネスです。
 4つ目はアウトソーシングのサービス事業です。主にコールセンターのアウトソーシングを実施しています。クライアント企業に変わって当社が顧客対応を行うサービスです。アウトソーシングサービスには、スタッフの採用、教育、業務の実行、スタッフの評価、業務の改善などが含まれています。アウトソーシングサービスは継続サービスであり、当社にとっては、これもストックビジネスとなります。

Q4:コンサルティング会社なのか?

 コンサルティングサービスは提供していますが、当社全体として一般的なコンサルティング会社と同じような事業モデルではありません。通常、コンサルティング会社はコンサルタントの人数の増大と売上の増大が比例します。当社のコンサルティングサービスは特に上流工程をサポートするひとつのサービス機能です。このコンサルティングサービスから、ITサービスや、あるいはアウトソーシングサービスの提供につなげていくという事業モデルです。結果として当社の事業の拡大は、主にIT事業とアウトソーシング事業の拡大に因っています。  IT製品を自社で開発して企業に販売しているという点も、一般的なコンサルティング会社と異なる点です。また、アウトソーシングサービスとコンサルティングが連携・連動して企業を総合的にサポートし、企業のビジネスパートナーとしてクライアント企業がビジネスの結果を得られるまで支援し続ける点もコンサルティング会社やアウトソーサーと異なる点です。  当社にコンサルタントは必要ですし、そのコンサルタントの能力やスキルは重要な差別化要因ですが、コンサルタントの人数はコンサルティング会社ほどの成長ドライバー(あるいは成長のボトルネック要素)ではありません。  当社のコンサルタントは、企業に対してレポートや報告書を提供することが目的ではなく、ITやアウトソーシングを絡めて企業にビジネスの結果を提供することをミッションとしています。これは当社のミッションそのものです。レポートではなく、ビジネスの結果を提供するという新しいコンサルティング会社を目指しています。
 次回は当社の強みと過去の業績等についてご説明したいと思います。