エンジニアAIイノベーション部
顧問/知識工学センター センター長

藤原 博文

Hirohumi Hujiwara

タイムインターメディア

1998年入社

TOP社員仕事紹介:藤原 博文

面倒なことはAIに任せて、
人が働かなくても
良い社会を実現する

「進化計算」の分野で
AIの研究開発をリード

当社とAIの関わりは古く、知識工学センターは設立から2年目の2000年に発足。AI技術、とくに進化計算を利用した研究開発を中心に取り組んできました。国内のほとんどのAIの専門家とのネットワークを持ち、研究開発、産学連携を積極的に行っています。経済産業省の依頼で日本のコンテンツを世界に発信することを目的とした活動にも取り組み、その応用としてナンプレなどの数理パズル問題の自動生成を行い、パズル雑誌やパズル問題集などに1万問以上の問題を提供してきました。私自身、パズル愛好家としてナンプレ問題を高速に自動生成できるシステム開発に携わり、2018年10月開催の「数学の祭典 MATH POWER 2018」では、当社が提供した巨大ナンプレがギネス世界記録に認定されています。

なお、知識工学センターは、2017年7月に電気通信大学のUECアライアンスセンターに移動し、さらなる産学連携活動を進めています。入居部門は、複数部門に分散していた人工知能関連業務を集約して、部門名をAIイノベーション部としました。私自身は、センター長として、各大学や研究機関、出版社との連絡、講演、授業、イベント参加、企画・運営に携わっています。
AIには複数の手法があります。今、コンピュータが人間と同じような学習方法を実現できるようになってきたのは「ディープラーニング」という機械学習の技術が関係していますが、これは人間の脳の仕組みをまねて生まれた手法です。

もう一つのAIが、私たちが注力する遺伝的アルゴリズムをまねた「進化計算」。これは生物の進化過程で環境に合う子孫を残してきたメカニズムをモデルに、与えられた条件下でデータを最適化する手法です。遺伝的アルゴリズムが優れているのは幅広い問題に汎用的に適用できることで、例えば、使用材料をできるだけ少なくして丈夫なものを造るといったことに向いています。有名な例が、新幹線N700系のノーズ形状の設計です。
私たちは、様々なパズル問題の自動生成の研究を通じて、進化計算の技術を磨いてきました。今は進化計算の応用に取り組んでおり、スケジュール作成、分配問題、時間割作成などの最適化を、実用レベルで行うシステムの開発を進めています。具体的な成果の一つとして、全国にある国立工業高等専門学校の時間割を、進化計算で自動生成するシステムを実現しています。
進化計算は、ディープラーニングなど他のAI技法と組み合わせで可能性が広がります。コンピュータの性能向上も加わることで、ますます人を介さない社会システムが普及していきます。例えば列車のダイヤ、コンテナヤードの荷物の積み下ろしをいかに効率的に行うかなどに応用できますし、先進的な物流倉庫などではかなり自動化が進んでいますが、さらに適応範囲が拡大し、ロジスティクス全体も大きく変わります。

他人ができることはせず、
他人ができない部分だけをする

私は創業メンバーですが、研究開発が大好きで、現場にずっと携わっていたいので、経営を任せられる人と協力できればということでスタートしました。そこで他人ができることはせず、他人ができない部分だけをすることに徹してきました。それだけに、縦割りの日本社会で、それを無視して突っ走っている人に出会うと嬉しいですね。これから入社してくる若い人にも、キャリアデザインなどに縛られずがむしゃらに突っ走ってほしいと願っています。当社は、チャレンジすれば大抵はOKが出るので、果敢に挑戦してください。
この分野はコンピュータの性能向上、小型化が急激に進みつつあり、そのおかげで人工知能だけでなく、IoTの仕組みも劇的に単純化され、プログラムの生産性も激変しています。
そのため、今まで困難な研究対象となる分野のシステムを小中学生が簡単に作ってしまうことも起きつつあります。
この変化にキャッチアップし、自在に組み合わせられる能力が求められています。
それだけに、与えられた情報、つまり教科書に載っていないことに自ら積極的に興味を持ち、実際に使い倒すような人であって欲しいです。

AIを上手に使いこなすために数学の能力はますます必要になり、最新情報はすべて英語の情報であるため、英語力も不可欠です。
STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育の重要性が叫ばれていますが、プログラムだけでなく、英語を含めた総合的科学技術能力が求められています。
そして、競争相手は国内や欧米ではなく、中国、インドをはじめとするアジア、さらにアフリカになりつつあります。

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